小さな日本人の人生旅行記(ESADE MBA編)

英語が苦手だったごく平凡なサラリーマンが世界に出ていく体験を綴ります。

加点法と自己肯定感

私の嫁が来週スペイン語の試験があり、試験に向けてプライベートレッスン(知り合いの紹介で普段やっていない人に格安でお願いできました)をしています。前の投稿でも書いたことになりますが、同じDELE(スペイン語試験)でも、試験をする国によって若干評価されるポイントが異なると感じています。

日本の場合は、B1レベルであれば面接で「接続法は自信がなければ避ける」というのが得策のようです。間違えると文法面でマイナスを食らうということでしょう。一方、スペインで受験する場合はどんどん接続法を言った方がいいそうです。接続法はスペイン語では使用頻度が多く(ドイツ語よりも遥かに使用頻度多い)、それが使えるとネイティブは「やるねえ」と思うそうです。

 

つくづくメンタリティの違いを感じさせられます。海外では往々にして加点法的な思考が多いと感じます。ちょっとグループで何か貢献をすると非常に褒められますし、何かができるようになったらすぐに「ーができたね」と言われます。これは堅物と言われるドイツでもそうです。手を上げて挑戦をしたら基本的に讃えられます。

 

日本の場合、どうでしょうか。日本は基本的には正確性を求めて減点法をとります。時々日本人の夫婦でいざこざがあったりしますが、相手に対する感謝、相手がやってくれていることを加点法的に捉えず、足りていない部分に目がいってしまっているように私の目には映ります(減点法)。職場ではどうでしょうか?プロジェクトや難しい課題があった時、手を上げる人はいますか?手をあげたらその人は言い出しっぺ的になっていませんか?少なくとも私には日本では「イニシアチブを取ったら損をする(少なくとも得はしない)」というのが見えます。また、何かと仕事の粗探しをする人を見かけることは日常茶飯事なのでは?と思います。

 

これは日本人の自己肯定感の低さにも現れているのではないでしょうか。13−29歳を対象にした内閣府の調査では、「自分自身に満足をしている」という若者では世界で7−8割ほどいるのに対して、日本では5割未満になります。「アジア人だから」という人もいるかもしれませんが、韓国人も7割以上が自分自身に満足をしています。

https://www8.cao.go.jp/youth/whitepaper/h26gaiyou/tokushu.html

 

これから日本は苦しくなります。GDPは民間消費・民間投資・政府の支出・輸出で増えますが、人口減の中では輸出で一発逆転をするしかありません。内需に頼らず外にこれからどんどん出ていくしかありません。そんな苦しい中若い世代の自己肯定感が低いのは憂うべき状況です。

 

他国でよく見られる「加点法的思考」にヒントがあるのかなあと思いながら過ごした休日でした。