小さな日本人の人生旅行記(ESADE MBA編)

英語が苦手だったごく平凡なサラリーマンが世界に出ていく体験を綴ります。

MBAランキングとキャリアについて

MBAランキングとキャリアの機会についての質問を受験生に時々聞かれます。

 

ビジネススクールのランキングはいろんな団体がいろんな基準で発表をしているので、どれが本当かどうかは正直良くわかりません。(Financial Timesがよく基準になるような傾向があるように感じますが)私のいるESADEという学校はランキングでいうとだいたい世界10位ちょっとから20位ちょっとの学校になります。悪くはないのですが、上にはメジャーなアメリカの学校があり、欧州の中でも日本人の口から出てくる学校の中には私の学校はまだまだ出てきません。完全に英語のプログラムになってからまだ歴史が浅いというのもあるかもしれせんが。

 

目指す就職先次第ではありますが、正直ランキングは日本で就職する限りではそこまで関係ないのかなというのが私の見解です。それよりはロケーションの方が大事な気がします。

 

なぜランキングがそこまで関係ないか。3つの理由がこれまでの経験から見えてきました。

1)面接では結局は個人のスキル(実績)・ポテンシャル・やる気(キャリアへの考え方やキャリアチェンジに対してのコミットメント)について見られており、「学校」ならではのアドバンテージはネットワーキング(実際に卒業生が社員としていると話が良く聞ける)くらいにしか感じていません。

 

2)MBAインターンとして入社しても社員は基本的にビジネススクールについて詳しく知らないので、むしろそこで何をしているかといった内容に興味があるのです。さらにビジネススクールでの話より前の業界との比較や、前職でどんな仕事をしていたかに興味を持ってもらっていました。同じタイミングのMBAインターン生とは学校で比較されることはありませんでした。(少なくともそのようなことは顕在化していない)

 

3)ROIの観点からいうと、ランキングの高い学校は学費が高い傾向があり、あまり分があるとは言えません。なぜなら、オファー時の年収も正直学校によって大きく変わることはなさそうだからです。少なくとも日本の労働市場おいては。一番の判断材料は前職の報酬の状況であり、それに1)で述べた3つの要素を踏まえて他社でもオファーが出しそうな相場感(市場価値というのでしょうか)が加味される感じでしょうか。

 

*当然海外就職の場合は状況は違うようです。また、いわゆる大手の戦略コンサル(ランキング・高いGMATスコアが求められる)となると、名声とネットワークがあるためか米国MBA出身者が中心になりがち。しかも大手で働いている方に会うと、社費生として渡っていた人が多い印象。

投資銀行は学校のランキング、バックグラウンドと早い段階からのコミットメントが求められている印象なので、今回の話には必ずしも当てはまらないのではと感じます。

 

何が学校選びで大切かというと一番はロケーション選びが大切なのではないかと思います。(特に私費学生)

学校によっては状況が違うので一括りにはできませんが、

・経済的には学費と生活費: 米国>欧州>アジア

・学生の国籍や人種の多様性: 欧州>米国・アジア(ここは学校によって上下あり)

という傾向は他校の同級生と話していて感じます。

 

また、学校のある土地ならではの強い産業やビジネス環境があるので、その恩恵を受けられるのも特徴でしょう。学業面以外でも旅行の幅の広さなどもロケーションの要素の一つかと思います。

 

ブランド力のある学校にいく志向が強い場合はアメリカのいわゆるM7に行けばいいと思います。そこに行って得られることは多いと思います。このフィールドを目指す場合は、ランキングは一つの大きな指標になるかもしれません。アメリカでのビジネススタンダードも学べると思います。(外国人が欧州に比べて少ない。いてもアメリカに長くいた人。外国人は中国人とインド人が多い。など)

 

学生の多様性や教室内外で容易に多文化・多言語に触れられるのは欧州ならではかと思います。私の学校はスペイン人は3−4人(?)しかおらず、51カ国から187名が集まっている状況です。毎日オリンピック状態です。

 

今はアジア圏に注力する日本企業も多いかつ外資のアジアの本拠地でのキャリアオポチュニティを考えると、日本人にはアジアMBAも理にかなっているのかもしれません。いろんな方に話を聞くとやはり中国・インド系の生徒が多い傾向があるようです。

 

そう考えると、キャリアの方向性がある特定のものでない限り、ランキングは実際はそこまで大切ではないのかもしれません。ご自身が持っている価値観やビジョンに合わせて、ご自身のものさしで学校を選んでいくことが大切なのではないでしょうか。