小さな日本人の人生旅行記(ESADE MBA編)

英語が苦手だったごく平凡なサラリーマンが世界に出ていく体験を綴ります。

ターム3 学業面の振り返り

昨日でファイナルプロジェクトも終了し、いよいよ1年目のプログラムが終了しました。

ターム3は恥ずかしながら学業よりもネットワーキングに時間を費やしました。(多分老後になっても繋がるであろう一生モノの外国人の親友もできました。)そのようなターム3ですが、学業面の振り返りをしたいと思います。

*時間的な効率や、これから履修する方もいたりする関係もあり、あえて考えて深くは言及しません。

 

・Cost accounting

原価の計算の仕方をしました。前職で商品を開発する過程で、開発中の商品の原価の状況を確認したりしていましたが、原価がどのように決められるのか、仕組みの詳細な部分を理解するのが目的の授業でした。試験はほとんどが計算問題で、外国人が多数落第(追試)する中、日本人が比較的検討していたのではないかなと思います。

 

・Marketing planning & implementation

ターム3で一番好きな授業でした。マーケティング戦略をどのようにインプリしていくかを、マネージャーの立場で考える授業でした。バックグラウンドがあったのですが、思った以上にデータ・ドリブン(数字ドリブン)な感じで、論理的に考える必要がありました。ケースに基づいてクラスで議論したあと、チームにわかれてさらに議論をして意思決定をするのは非常に勉強になりました。この授業を受けた後に個人的にデータ・ドリブン・マーケティングの研究をしていたのですが、以前の別の授業とこの授業を合わせたような内容で、本を読みながらこれまでの授業を総合的に復習できました。

 

・Managing Ethics & Social Responsibility

日本人が苦手なタイプの、答えのない議論が続く授業でした。チームでやった課題自体は問題発見→ソルーション→インプリという流れを組み立てるオーソドックスな内容だったので、淡々とこれまで学んできたことを活用してささっとこなしていきました。

 

・Negotiation fundamentals

交渉の基本(ZOPA・BATNA・Bandlingなど)をやっていかにWin-winを産むかについてやりました。これも日本人のお人好し感が出る授業で、ひたすら自己の利益を追求する外国人生徒に対して弁護をして守るのが大変でした。また、給料や待遇についての交渉の練習もしました。振り返ると、大阪で商売する中で値段の話は本当に苦労しました。産業の特性や商習慣上、必ずしもこの授業でやった内容はあの現場では使えるとは思えませんが、新たな学びを得ました。

 

・Organising human resources

人事について細かくやるというよりは、どのように戦略に合わせた組織の仕組みを作るべきかを考えたり、メンバーのエンゲージメントの高い組織の特徴や、マネージャーとして部下の待遇をどのように公平に決めていくかなどを学びました。複雑についてのディベートもチーム別で行いました。

 

・Technology & digital business

テクノロジーをどのように実際に導入していくかについて学ぶ授業でした。与えられるケースや事前のリーディングの課題がどれも法外に長く、いかにも欧米な感じのディスカッション(構造化されていない議論がひたすら飛び交って最後のTakeawayがない)が続き、この授業もバックグランドがない日本人は苦労しました。

 

・Leading change

実際に組織が変わっていく上でどのように社内の抵抗に負けずに変革を起こしていくかという授業でした。(2日間で3コマのみ)シミュレーションでは比較的貢献ができ、結果もよかったです。最後に試験があって正直自信なかったのですが、成績が満点でした。(最初で最後・・・)

 

・Strategic business simulation

先日も書きましたが、チーム内でのコミュニケーションに苦労しました。情報量が多くカオスで、瞬発力任せの建設的でない意見がひたすら飛び交う環境かつ、議論がほぼスペイン語だったからです。結局はデータ・ドリブンで結論を出すことの大切さと、スペイン語会話を学びました。昨日も地元の人の集まりに顔を出したのですが、線過去・点過去・未来形は会話で普通に使えるようになりました。スペイン語の勉強自体は9−12月の3ヶ月しかやったことありませんが、生活での必要なことを全てスペイン語でやったり学校にいるラテン人たちの話していることを見よう見まねでやっているうちに、渡航1年で電話を含めて基本的なコミュニケーションが取れるようになりました。複雑な内容でなければ・・・。(このコメントはSimulationのクラスのコメントとは思えない内容。笑)

 

・Final master project

気の知れたメンバーかつ、非常に多様性のあるメンバーで楽しくやれました。頭が働く時間帯が違ったり食事をとる時間がメンバーによってバラバラで若干意思決定が遅くなるシーンがありましたが、基本的に建設的な意見をいう人が揃っていたので上手くまとまりました。特に、彼らは私の強みを買ってチームメンバーに採用してくれていた上、自分の弱点が強みのメンバーがいたためにうまく多様性が機能したのではないかなと思いました(逆も然り)。チャレンジ自体については深く言及ができないのですが、業界の将来を考え、不確かかつ複雑なものをどのように分解して優先順位をつけていくか、というプロセスを改めてたどることができました。

 

このタームはこれまでの復習の要素がターム2よりも多かったです。

このタームの一番の衝撃は、スタディグループで同じになったメンバーです。今まで見た人間の中でもっとも優秀な人間(ドイツ人・5歳くらい年下)と一緒で、誰も彼のペースについていけませんでした。論理に穴がなく、瞬発力と持久力を兼ね備えていて本当に絶望的に優秀・・・。しかも他の「いわゆる優秀と言われている人たち」と違うのは、他の人に指摘されたことや言われた意見を真正面から反対するのではなく、うまくかわしたりいい部分を取り入れて自分が組み立てたものを改善していく能力の高さです。しかもわからない部分はドイツ語で別途教えてくれるので非常に助かります(まだリスニングは断然ドイツ語の方が上・・・これまでの英語の努力って一体・・・)。彼は某大手コンサルのミュンヘンオフィスで夏はインターンの予定です。今後きっと活躍しそう。

 

明日の早朝の飛行機(交通手段あるのか?)で南アフリカケープタウンに行きます。1週間授業を受けます。ケープタウンはもう来週の金曜の夜の便で帰国。その後荷物をまとめてすぐ日本行きです。