小さな日本人の人生旅行記(ESADE MBA編)

英語が苦手だったごく平凡なサラリーマンが世界に出ていく体験を綴ります。

MBAT 2019

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MBATMBA Tournament)というイベントに参加をしてきました。

このイベントは欧州の多くのビジネススクールがHEC Parisに集まって、いろんなスポーツで競い合うというものです。私は受験当初からこの大会に出たいと思っていました。

実際は正直大会直前に試験がありパリ入りする時にはやる気があまりありませんでした。ただ、周りのメンバーの活躍を目の当たりにしてやる気を出し、最終的に充実した時間が過ごせました。

 

【他校に触れてみて】

いろんな欧州トップレベルのビジネススクールがあり、科目面では基本的に学ぶ内容に大きな差はありませんが、やはり学校の卒業生が強い産業やその立地が学校の違いを分けていると思いました。

 

・多様性について

欧州は各学校「多様性」を売りにしていますが、その内容も正直違うなと感じました。

比較的英国の某校(複数)をみていると、アングロサクソン系の学生を中心に中国系が多い傾向があり、スペインの学校はラテン系が多い傾向があります。当校(ESADE)は南米は3割ほどですが、スペイン人(彼らは少数派)やイタリア人(スペイン語に苦労しない人たち)やアメリカ人(スペイン語圏に興味あるからアメリカのMBAを取らなかった人たち)などがいるため、油断をすると周囲はスペイン語で会話をしてしまいます。会話の輪の中に自分がいても結構関係なくスペイン語を話す瞬間もあるので、大変ですが同時に多数の言語を処理する練習になります。しかしまあ、ドイツ人は誰かドイツ語話せない人がいるとすぐに会話を英語に変えて戻さないので、ある意味親切だなと感じます。

また、MBAT3日間はひたすら写真を撮っていたのですが(1000枚以上!)比較的他校はチームを応援していてもアジア人・アングロサクソン・ラテン・インド人といったように人種でグループが分かれているのが顕著でした。正直当校もパーティー文化があってスペイン語で会話できるラテン系同士で固まったり、インド人同士でグループになることもなくはないですが、比較的オープンな人が多く、いろいろ写真を撮っていると他校よりも国籍や人種がぐちゃぐちゃになって選手を応援しているのが見てとれます。

 

・大会への姿勢

正直他校を見ていると一定数プロの選手だった人や軍人上がりがいて、明らかに身体能力と競技能力が高い人が揃っている学校が複数ありました。また、若干専攻が違う学部の人が競技に参加していたり、優勝の確率を上げるためか1校で複数チームエントリーしている学校がちらほらありました。

さて、ESADEはどうかというと、基本的に「楽しみに来ている」というスタンスでした。そこまで正直みんな練習もする時間取れないし、それぞれの競技に専門家がいる事もないのであくまで怪我なく楽しむイメージでした。素人にしては比較的みんな能力は高かったのではと思います。

 

・他校の生徒もフレンドリー

某英国の名門校やオランダやスイスの学校の生徒といろいろ話す機会があったのですが、紳士的で気持ちのいい人が多かったです。競技になるとみんな本気ですが、終われば爽やかに声を掛け合うような感じでした。

 

・日本人ネットワーク

他校の日本人学生と交流をする機会がありました。残念ながらごく一部の方々のみしかゆっくりとお話できませんでしたが。。。やっぱりこの手の世界だと知り合うたびに共通の友人がいるものなので、ますます日本での繋がりが大切だなと思いました。また、どの学校でもあまり英語での国際経験のなかった日本人が抱える問題は一緒で、共感できる部分も多かったとともに、ある種の安心をおぼえました。

 

【当校のエピソード】

・日本人大活躍

普段はあまり授業中に発言せず、クラブ活動や夜のクラブ・パーティーで主役になることも少なく(参加してもあくまで静かなタイプとして扱われる)、なかなか目立つことができない(目立つ事を良しとしない文化のせいか?)日本人ですが、今回は多くの競技で著しい活躍をしました!!!ペタンク・フリスビー・ドッヂボールではメダルを取りました。水泳もかなり個人でいい成績を叩き出し、注目を浴びました!!!日本人が注目されるのは嬉しいです!

 

【個人のエピソード】

・ドッヂボール頑張りました

私は肩を怪我していて正直全力であまり投げられないのですが、元少年野球のピッチャー・外野手高校大学体育会ハンドボール部という経験を意地に変えて、ドッヂボールに参加しました。ドッヂボールも多くの日本人が参加しました。大会2日目に予選があり、2戦2勝。欧州のドッヂボールのルールはだいぶ日本のものとは違い、6人対6人でボール6つで外野なしで戦います。初戦はタイブレークとなり、緊張しましたがなんとか勝ちました。2戦目は別の日本人メンバーが最後決めました。

大会3日目は雨で試合がキャンセルという噂を聞いてがっかりしていたところ、会場と時間を変えて決行となりました。事前に他のチームの投げる能力を見て要注意人物を確認し、うまくコミュニケーションをとって戦いました。準々決勝・準決勝と気持ちいいくらいにいろんな人を当てたのですが、決勝の最初の方にコートの外に知らないうちに出てしまい、アウト・・・。チームのキャプテンもアウトになり、どうなるかと思いましたが、他の日本人メンバーの活躍で優勝しました!他校が8チームー10チームなど複数チームで大会にエントリーしており、決勝の相手の半数は軍人上がりという中、勝てて本当に嬉しかったです。他校の生徒は体の小さい日本人の能力を見くびって、あまり積極的に攻撃してこなかったのも勝因かもしれませんね。まさか小さな体の東洋人がシャープでコントロールの効いた球を放つとは想像できないのでしょう。笑

ホテルでシャンパンをあけて、3日間全競技を経たみんなの功績を祝う会をしました。シャンパンをあけたりコップを準備してついだり日本人らしく(?)下働きといった目立たない事をしていたのですが突如スピーチをすることになり、みんなの前でスピーチをしました。ハンドボールでは怪我に苦しみました(今も無茶できない)が、ここにきて昔練習してきたことの成果が出たのかなと思います。笑)大会最終日の最後の団体競技で優勝できてよかったです。チームワークで取れた金メダルは、これからも宝になりそうです。

 

・写真の面白み

面白半分で学校のイベントでは写真を撮影しているのですが(なんちゃっての安物一眼レフ)、これがなかなか面白いのです。時を刻み取る感覚。スポーツや動いている人をとると、ほんの一瞬でも全く違う表情や動きや世界観があり、面白い。あえてカメラでしか取れない世界をとるのも面白い。という訳で、将来経済的に余裕ができたらカメラはもっと掘り下げたいと思います。