小さな日本人の人生旅行記(ESADE MBA編)

英語が苦手だったごく平凡なサラリーマンが世界に出ていく体験を綴ります。

ターム1終了 学業面での振り返り

無事に期末試験を終え、ターム1も終了しました。(まだ明日はスペイン語の試験がありますが)

f:id:deuschtumjdjs:20181220051519p:plain

最後のファイナンスのレポートとプレゼン、期末試験を乗り越えました。

 

MBAで何が学べるの?という質問を最近知人からいただくことが多いので、ここに備忘録がてら書かせていただきます。

やはりこれも、個人によって授業で感じるものや見出すものが違います。

基本的にはポジティブな面での気づきを書かせていただきますのでご了承ください。

 

・Solving business problem

毎回会社の社長・役員レベルの方が来て、彼らが実際の業務で直面した難題に対して、どのように自分達だったら対処するかを考える授業。

国を跨いだ文化の違い(日本のケースが出ました)や倒産寸前の会社をどうするか、国の経済が破綻しそうな時にどうするか、という問題を扱いました。

鮮烈だったのは倒産寸前の会社のケースで、結局ゲストスピーカーは立て直せなかったということ。彼は今は経営層向けのメンタル面でのサポートをするサービスする会社を運営しているようですが、彼が社長していた時の業務やメンタルの状況について聞くうちに色々と考えさせられました。やはり幸せの定義を自分でしっかりと決めることが大切であると改めて感じました。

 

・Marketing strategy

一番スタディグループに貢献のできた科目です。メンバーがウォール街出身だったりコンサル出身だったりする中、唯一の消費財(食品)出身というバックグラウンドが活かされました。といっても戦略を考える上での基本的な考えや知識はコンサルのメンバーに被せられてなかなか自分のポジションをとるのに苦労しましたが。

改めて体系的にマーケティングを勉強してみて、セグメントとターゲット選定がごちゃごちゃになっていたり、これまでの自分の考え方を反省する次第でした。

ふとした瞬間にも、身の周りにある商品についてどのような考えが背景にあって商品を展開しているか、などを議論するようになりました。

 

・Leadership & Decision Making

クラス内でグループワークをやって、オンラインのシミュレーションであらゆる意思決定をする授業でした。また、陥りやすいバイアスについても学び、改めて自分がやりがちな「Confirmation bias」や「Sunk cost bias」について気がつきました。ある1つの授業の中でエベレストにチームで登るシミュレーションをやったのですが、その課題では自分がリーダーをやることになりました。気温・天気やチームメイトの体調、薬や酸素の量などを入念に確認しながらなんとか締め切り直前に山頂手前につきました。チームメイト全員、「いけそうだ」と盛り上がり、無理して登りましたが1人倒れ、救急ヘリで搬送。。英語環境で場をコントロールすることの難しさと、詰めの甘さを痛感しました。

 

・General management & strategy

今回のタームの1番メインと言っても過言ではない授業。Associate dean自らが教鞭を執る授業です。様々な産業について毎回ケースを読んで議論をしながら理解を深めていく形でした。いろんな産業の競争環境などの全体像をつかむことができたのが自分にとっては収穫でした。あとは戦略やフレームワークの使い方を学びましたが、この辺りは日本で事前に勉強をしていたので、どちらかと言えばチームメイトに教えることでしっかりと学んだという印象です。コンサルメンバーがいるおかげで課題の成績は学年トップレベルでした。(30チーム中1−3位くらい)

 

・Financial accounting

これまで入学前に課されたオンラインでのアカウンティング講座や9月のFoundation week、Launch weekでのアカウンティングのクラスの内容を踏まえた上で、もっと細かく踏み込んだ内容でした。具体的には売上認識・株主資本を中心に、どのような取引をするとどのようにバランスシートが変化するかなどをやりました。売上認識は最近の国際会計基準の変化に合わせて授業の内容が組まれ、公認会計士のメンバーでさえも苦戦しました。個人的には株主資本の部分の考え方が非常に勉強になり、なぜ株を買い戻すのかなどを理解することができました。(これがのちに触れるファイナンスのクラスの内容と合わさって、理解が深まった印象です。)

 

・Finance

比較的基本的な比率分析を中心に会社の財務分析をできるようになるのが目的の授業でした。僕のチームは「Royal mail(UKの企業)に投資をすべきかどうか」という題材で、ファイナルペーパーとプレゼンをしました。それまではなんとなく本でかじった比率分析でわかったつもりになっていましたが、産業・ビジネスモデルを踏まえた上で、一つの指標ではなくその産業やビジネスモデルにふさわしい指標を選んで競合他社との比較をする大切さを実感しました。(こんなこと書いたらプロからすれば小学生の作文のような内容ですが、営業・マーケ上がりなのでお許しください)ストラテジーの最後の課題(IKEAの戦略)を考える際もこのあたりの知識は応用することができました。

 

・Economics

前半はマクロ経済、後半はミクロ経済でした。マクロ経済では、国の経済状況を分析する方法を学び、ミクロ経済では市場の競争状況によってどのように価格と供給量が決まるかを学びました。正直大学1−2年生の時にやった内容なはずなのですが、なぜか苦戦しました。なかなか英語でやるのはきつい部分もありましたが、Financial times(クラスメイトの強い勧めにより読んでいる・・・)の記事を理解する上でも役に立つことがあるので馬鹿にできません。僕としてはある程度理解して知識を今後もキープできればそれでいいかなという感覚ですが。

 

・Communication skills

すみません、最初はなめていました。どのように舞台(前)で振舞うべきか、どのように発声をするといいか、どのようにしたらプレゼン前にリラックスできるかなどを扱いました。なぜなめていたかと言いますと、正直プレゼンのスタイルが「日本の大企業」に当てはまらないからです。(前でうろうろしながら話すなど、正直一部の職場環境でしか使えない手法も多く、どこまで将来使えるか確証がありませんでした。)

授業ではこの動画で紹介されていることも扱いました。

https://www.ted.com/talks/amy_cuddy_your_body_language_shapes_who_you_are?language=ja

しかし、意識して姿勢やジェスチャーをコントロールすることで、言葉では伝えきれないものが伝わるな、というのに途中で気がつきました。こういうことをどのように自分の中で昇華できるかがポイントだと思います。

 

スペイン語

僕はA2レベル(初級の後期)に入りました。

様々な過去形や現在進行形の文法をやり、家・人・旅行・体・仕事のことなど基本的に表現できるようになりました。

引っ越して5ヶ月で気がつけばタクシーの運転手や街の人とも適当な会話や意思疎通ができるようになりました。

第2タームー第3タームはクラブ活動と他のスキルアップに時間を割きたいので続けませんが、2年目でもう少し時間ができたら、夫婦で現地にもっと溶け込んでいきたいと思います。

以上、学業面でした。

話すと長くなるので本当にダイジェストにしているため小学生の絵日記みたいになってしましましたが、MBAは広く浅く授業をやります。(基本的に専門家ではなくGeneral managementを育てる教育なので)

物足りなさを感じる瞬間もなくはないですが、確実に大阪で飛び込み営業をしていた頃と比較すると高い視座・広い視野で考えられる要素を身につけつつある感覚です。とはいえ実社会と学問はどう似せても似ない部分があるので、夏のインターンでは少しでも活かせればと考えています。