小さな日本人の人生旅行記(ESADE MBA編)

英語が苦手だったごく平凡なサラリーマンが世界に出ていく体験を綴ります。

バルセロナ、カタルーニャに住んでみて感じてきたこと(さよならバルセロナ)

コロナウイルスの関係で多くの友人が緊急帰国、多くのお別れ会が見送られています。本来であれば来週が卒業式だったのですが。

 

一番仲の良かった友人とは、サシで最後に会いました。彼は就職活動に苦戦していましたが、無事に大手のIT会社のMBA卒向けのプログラムに採用になり、その話をしたりして笑顔でお別れできました。Term2のチームで一緒になってからお互いに困ったことがあれば相談しあうようになり、ファイナルプロジェクトでも同じチームで頑張りました。この時代、またすぐ会おうと思えば会えるのですが、最後にお別れと感謝の意を伝えることができて良かったです。明日もまた大切な友人と1対1で最後に会う予定です(まだ予定が会うかどうかは未定)。

 

色々あり飛行機を早め、あと2日後には帰ります。ただ、フライトが飛ぶのか、日本で入国できるのか、すぐに家に帰れるかはまだ不明です。

 

今回はバルセロナカタルーニャを感じることを書いていきます。おそらくこれからバルセロナで生活する方の中でも気づくことと、そうでない部分があるかと思いますが、個人の備忘録として書かせていただきます(乱文・長文お許しください)。

 

おそらくこういったことは、日本に帰ったら懐かしく感じるでしょう。

 

1、まずはカタルーニャ語

みんなカステジャーノ(いわゆるスペイン語)も話します。ただ、独自の言語に対するこだわりは強く、多言語で併記するときはカタルーニャ語・英語・カステジャーノという順番もよく見かけます(空港など)。

 

2、黄色いリボン

バルセロナにいるといろんな家のテラスに黄色いリボンがついているのをよく見かけます。街の落書きにもよく描かれています。これはカタルーニャ独立のシンボルです。独立派の方々がよくピンバッチをつけています。見た目が可愛いからか、何回かアジア人観光客がつけているのを見てひやっとしたことがあります。まあバルセロナの人はおおらか(あまり他人に干渉しないという方が正しいか)なので、ピンバッチをつけていても何もされなさそうではありますが。

 

3、Més que un club

これはFCバルセロナのチームのモットーです。スペイン語をやっている人からすると、綴りが違うのでは?と思われるかもしれません(スペイン語ではMás que un club)。これはカタルーニャ語である。意味はmore than a club、つまりクラブ以上のものである。どういう点でクラブ以上なのかは本当の意図があるのかもしれませんが、私はサッカーを4試合、ハンドボール2試合、バスケを2試合実際に見に言った中で、政治的なもの(カタルーニャアイデンティティ)を感じ取りました。 カタルーニャは1714年にカスティージャ王国(今のスペイン王国の元になっている国)に攻め落とされ、国家としての終焉を迎えました。FCバルセロナの試合(サッカーだろうがハンドボールだろうが)、前半後半の17分14秒になると地元ファンたちが「In! Inde! Indepandencia! (イン!インダ!インダパンデンシア!)」と叫ぶのです。何も知らない観光客サポーターたちは一緒に手を叩いたりしているのですが、これはあらかじめ意味を知っておいた方がいいと個人的には思います。 かのエル・クラシコでは祖先の仇であるマドリードとの対決になるのでこんな感じの雰囲気になります。ご参考までに。https://www.youtube.com/watch?v=bRuz2PzaVcE

 

4、ヘルメットを持ち歩いている人が多い

最初が比較的重い内容だったので、ここからは軽い内容にしたいと思います。バルセロナはバイクで動き回る人が多いです。ですので、ヘルメットを持って歩いている人をよく見かけます(大体おじさん)。中にはヘルメットをバッグがわりにして買い物をしている強者も。笑

 

5、昼から外でビール

法律上は路上でビールを飲み歩くのは禁止されています(公園含む)。地元の人はこのルールを守る傾向にあると感じています(公園での実態はここでは他言はしません。ただ、地元出身ではなく、南米出身の人が多いと見受けられます)。ただ、街中ではみんなカフェやバルの外の席(Fuera)でビールを昼から飲んでいます。「この人は何して行きているんだろう」というようなおじさんをいたるところで見かけます。

 

6、お昼ご飯は14時くらいから

どんなに早くても13時にならないと暖かいお昼ご飯が食べられません。レストランもあきません。地元の友人は14時から好きな時間休みを取って職場に帰るそうです。お店によってはシエスタがありますので、行ける時間に限って行きたい店がやっていない、ということもザラです。

 

7、夕飯は21時くらいから

20時、20時30分にならないとあきません。へたすると21時集合、22時集合もあります。南米人やイタリア人などはこのスタイルで慣れているので問題はありませんが、日本人からするとこの時間に適応するのは本当に大変です。私は早寝早起き人間なので、飲み会に行くときは18時・19時ごろに家でサラダを食べてから出かけます。

 

8、ツッコミどころの多い工事現場

サグラダファミリアの工事も時間をかけていますが、一般的な工事もとにかく日本に比べて長いです。隣の家はリノベーションにかれこれ1年半毎日工事していますが、いまだに完成に近づく気配はありません。 また、工事のやり方も非常にツッコミどころがあることが多いです。Passeig de Gracia(東京でいう表参道みたいな通り)のお店の取り壊しも巨大なハンマーでぶっ叩いて壊していて、昔やったゲームボーイドンキーコング(主人公はマリオで、マリオがハンマーで壁を壊したり敵キャラをやっつけてクリアするもの。以下はウィキペディア説明です。https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%83%89%E3%83%B3%E3%82%AD%E3%83%BC%E3%82%B3%E3%83%B3%E3%82%B0_(%E3%82%B2%E3%83%BC%E3%83%A0%E3%83%9C%E3%83%BC%E3%82%A4))を思い出しました。 また、日本だと歩道に穴を開けて工事をしている場合歩行者の安全を守るためにフェンスで仕切ったり鉄の板で穴を塞いだりしますが、彼らはそんな丁寧なことはしません。穴を掘ってコーンを立てて終了、ということも何度も見かけました。

 

9、マシーン

Maquina(マシーンのこと)という単語をよく聞きます。工事現場や引越し業者の方々は、効率を考えずにとりあえずマシーンを使う傾向があります。よく見かけるのはアパートの上の方の階の窓に路上から直接ものを運ぶマシーンです。路上にマシーンを設置して上のテラスにも設置するのに時間がかかる上、下でタバコを吸って談笑をして暇そうにしているおじさんが多いのです。ぶっちゃけ物をみんなでエレベーターで運んだ方がはやいのではと思うことも多々あります。 また、スペインの機械はすぐに壊れ、修理にも時間がかかるので大変です。授業の関連で訪問した病院では最新の機械を導入していたものの、すぐ壊れて、修理の人もすぐに対応してくれなくて診察が滞っているという状態を目の当たりにしました。

 

10、カタルーニャ人の名前

スペイン人ならではの名前(カルロスとかマリア)も当然よく見かけるのですが、カタルーニャでよく見かける名前があります。こういう名前を見たり聞いたりすると、いかにもカタランだなあと感じます。 男性:Jordi(ジョルディ)、Jaume(ジャウマ)、Aleix(アレイシ)、Pau(パウ)、Josep(ジョセップ)、Lluis(ルイス)などなど 女性:Núria(ヌリア)、Montserrat(聖なる山で有名なモンセラット。ムンサラットという音の方がカタルーニャ語の音に近いと感じます。日本でいう富士子さん。笑)

 

11、カタルーニャのクリスマス

カガネルという、う◯こをしている人形が出店で売られます。また、メインはカガティオと呼ばれる顔のついた丸太(カタルーニャの帽子をかぶっている)に布を被せて木の棒で叩いて歌い、う◯このように出てきた(先に仕込んでおいた)お菓子を食べる風習があります。説明だとわかりにくいので、動画をご覧ください。 https://www.youtube.com/watch?v=iBsnLk0bGKA

 

12、サンジョルディ

4月23日。バラと本を送るカタルーニャならではの日です。私も妻にバラを送りましたが、リボンはカタルーニャの柄でした。サン・ジョルディが恐ろしいドラゴンをやりで倒してお姫様を倒し、ドラゴンの心臓から血が出て美しいバラが咲き乱れた、という伝説を起源にした祝日です。

 

13、SNSを音声で送る人たち

これはカタルーニャだけではありませんが。スペイン人、南米人はSNS(whatsapp。日本でいうLINEみたいなもの)で、文章を書いて送らずに自分の声を録音して送るのが好きです。

 

14、音に対して寛容

電車内で動画を音声ありで聞く人あり、レストランやカフェではコーヒーマシンをガンガン叩いたりお皿ガッシャーンも日常茶飯事。日本は他人に迷惑かけないように音には神経を使います。一方で日本はいたるところで不要なアナウンスや店員の叫び声(いらっしゃいませー)が響き渡り、こだわるポイントが独特です。

 

15、日差し

本当に日差しが強く、冬でも日中陽の当たるところにいると本当にあったかいです。天気予報見ても偏西風に乗ってきた暑い雲は大体スペイン北部や、カタルーニャ手前の山やピレネー山脈にぶつかってバルセロナに来る前に雲が消えるのです。

 

16、差別されない(欧州の中では)

この街に来て、何度も店員さんに間違われる。ジムではインストラクターに間違われ、道を歩けば道を聞かれます(そういうスリ班もいるが、その手の人たちではなく普通に聞いてくるのです)。No estoy trabajando aqui.と何度言ったことか。さらに、カタルーニャ独立派関連の署名にも声をかけられて、自分は外国人だと言ったら驚かれました。もし日本だったら明らかに外国人風な見た目の人がいたらまずこういったことで話しかけないでしょう。コロナウイルスがものすごく広がった状態でもあからさまな差別は感じたことはなく、バルセロナの方々の人柄には敬意を表します。

 

今日も最後に我が家の水が下の階の住人にもれ、トラブルシューティングをして1日が終わりました。